気仙沼大島ランフェスタに参加!(前編)

気仙沼大島ランフェスタ(2012年5月)

5月27日に宮城県・気仙沼大島で開催されたマラソン大会、「気仙沼大島ランフェスタ」に参加してきた。ハーフと10kmがあり、自分は人生二度目のハーフに挑戦。

写真

●気仙沼大島 ランフェスタ ~楽しむことが支援になる~

気仙沼大島(大島)は、気仙沼湾の入り口あたりに浮かぶ島。


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震災までは「気仙沼つばきマラソン」というマラソン大会を開催していたが昨年は中止となり、今年、復興をテーマにした「気仙沼大島ランフェスタ」が開かれた。

昨年末に気仙沼を訪れた際、大島に行きたかったけど行けなかったこともあり、また復興につながるイベントということで参加することにした。

気仙沼大島ランフェスタ(2012年5月)

気仙沼へは、高速バスで一本。
池袋西口を23時に出発すれば、翌朝6時には気仙沼市役所前に到着する。

庁舎は一階部分が津波でやられていて復旧工事中。
年末に一度来て、2日間結構いろいろ歩き回ったので、地図は見なくても道はわかる。

●気仙沼漁港周辺を散策!温泉も入った!
●12/24オープンの気仙沼・復興商店街「あさひ鮨」で最高に美味しい鮨を食べた!
●WADA-blog(わだぶろぐ):東日本一周旅行2011年末年始

気仙沼大島ランフェスタ(2012年5月)

年末にオープンした復興商店街「南町紫市場」を通ってフェリー乗り場方面へ。

気仙沼大島ランフェスタ(2012年5月)

このあたりは、残っている建物も一階部分は壊滅状態で、建て壊しを待っているだけの建物が多い。それでも年末はまだ、中にひっくり返ったソファやら落ちてきた天井やらがごちゃごちゃに詰まった状態だったので、かなり撤去が進んでいると思った。

気仙沼大島ランフェスタ(2012年5月)

それと建て壊しも進んでいた。ここも、年末に来た時には、あさひ鮨さんなどの建物が壊れたまま痛々しい状態で残っていた。

気仙沼大島ランフェスタ(2012年5月)

漁港の建物外壁には、津波がここまで来たという目印も取り付けられていた。

気仙沼大島ランフェスタ(2012年5月)

漁港周辺から内陸に向かって入っていくと、建物は取り壊し更地化が進んでいた。

気仙沼大島ランフェスタ(2012年5月)

昨年12月には破壊された家屋がまだたくさん残っていて、既に更地化していた陸前高田や大槌町、あるいは短期間でかなり復興進んだ石巻との違いに驚いてしまったが、ここもこうして、どんどん変化してゆくんだなあと。

気仙沼大島ランフェスタ(2012年5月)

気仙沼大島ランフェスタ(2012年5月)

こちらは復興屋台村。

気仙沼大島ランフェスタ(2012年5月)

プレハブの店内は狭いけど、地元の人や復興関連・ボランティアなどで来ている人で夜は賑わっているところだ。私は年末にも来た「あさひ鮨」でランチ。ここのお寿司は最高!

●12/24オープンの気仙沼・復興商店街「あさひ鮨」で最高に美味しい鮨を食べた!

気仙沼大島ランフェスタ(2012年5月)

そしてフェリーに。

気仙沼大島ランフェスタ(2012年5月)

市場隣接の食堂のおかみさんが、「大島に行くならかっぱえびせん。かもめがたくさん寄ってくるから!」と言ったので一袋買って行ったのだが、これ正解。

フェリーが動き始めると、どこからともなく大量のかもめが取り囲む。えびせん半分に折りながら投げると見事な急降下でキャッチする。かなり楽しい。

他に誰もそんなことしてる人いないので目立ちすぎたけどw

気仙沼大島ランフェスタ(2012年5月)

そして25分で気仙沼大島。
どこか殺風景なフェリー乗り場に降り立った。

気仙沼大島ランフェスタ(2012年5月)

津波直後はこんな状態だったらしい。
フェリーチケットを売っている建物内に写真が何枚も張られていた。

気仙沼湾の入り口に防波堤のように横たわる大島は、外海側だけでなく、気仙沼湾に向いた側も寄せて回流する波で被害が大きかったという。

気仙沼大島ランフェスタ(2012年5月)

さらに、タンクなどから流出した燃料が海上で燃え広がって火の海になり、それが大島の山にも飛び火して火災が起きたと、泊まった民宿のおかみさんが話していた。

気仙沼大島ランフェスタ(2012年5月)

そして小学校で前日受付して、大会実行委員会が割り振ってくれた民宿に着いたら・・・

気仙沼大島ランフェスタ(2012年5月)

全然期待とかしてなかったのに、あまりに眺め最高な民宿でびっくり!!!
目の前に広がるのは、快水浴場百選にも輝いた小田の浜。

なににこの海・・・

きれいすぎ!!!

宿泊したのは、小田の浜を眼下に見下ろす高台にある民宿「こばま」。実は自分で選んだわけではなく、ランフェスタ申込みの際に宿泊も一緒に申し込むと大会事務局が割り振ってくれる仕組みになっていた。

●気仙沼大島 ランフェスタ ~楽しむことが支援になる~

津波で被害を受けた宿もあり、島全体で宿泊可能な人数も限られているので、相部屋でなるべく多くの人が島に泊まれるようにしたみたいだ。

私たちの宿も、女性5名で相部屋、あと男性も10名くらいいて数部屋に分かれて一緒に泊まっていた。

気仙沼大島ランフェスタ(2012年5月)

相部屋と言っても、8畳くらいの部屋を2つつなげたところに5名だったので(上の写真は間の敷居をとりはずす前)全然狭くもなく、むしろ他の参加者と前日からいろいろ話盛り上がってとても楽しかった。

ひとりでビジネスホテル泊まりじゃ、こんな出会いはないしね。
初対面でもすぐ話はずむ、感じのいい人ばかりだった。

自分同様、ピースボート等に参加して被災地ボランティアを繰り返している方もいて、お互いどんなところに行ったのか情報交換したり、過去に参加したマラソン大会の話を聞いたり。

気仙沼大島ランフェスタ(2012年5月)

それにしても眺め最高!!!

ここは少し高台にあって津波被害は免れたそうだけど、
砂浜に降りていく坂の途中は両側とも建物は土台だけになっていた。

気仙沼大島ランフェスタ(2012年5月)

民宿のベランダからも巨大な津波が押し寄せてくるのが見えたそう。

「実際に津波見たから逃げたんだよ、このあたりの人は誰も死んでない。でも防波堤があってその内側にいたら、どんな大きくても見えなくなる。そうしたら人は逃げない。島でも犠牲になったのは内海のほうで港湾の仕事とかしてた人だよ」

宿のおじさんは、防波堤よりも避難路をきちんと作っておくことのほうが大事だと言っていた。

気仙沼大島ランフェスタ(2012年5月)

快水浴場百選にも選ばれた小田の浜は、大島の主要観光スポットのひとつ。

エメラルドグリーンの穏やかな入江で本当に美しかったけど、おかみさんの話によると、砂浜はかなり小さくなってしまったそう。気仙沼とか陸前高田とかと同じ、地盤沈下の影響なのかなあ。

そして松の木も、以前は向こう側がまったく見えない程にびっしり生えていたけど少なくなり、残った松の木も赤く立ち枯れ始めてしまい、最終的には伐採しないといけなくなるだろうと、窓の外眺めながら寂しそうに話してくれた。

前を知っている人にとっては、
愛してやまなかった美しい風景の、あまりに変わり果てた姿なのだろう。

気仙沼大島ランフェスタ(2012年5月)

遠浅で、かなり奥まで歩いていっても膝下くらいの水深。

瓦礫や木材、ガラスなどもたくさん漂着してしまっていたけど、地元の人やボランティアが清掃してきれいになったそう。

実際小さな子供が裸足で走り回っているのを見てびっくりした。
三陸の海岸はまだ、ガラス破片などが多くて危険な場所も多い。その清掃はふるいを使って人力・手作業でやっていくしかない。きっとここも、多くの人が頑張って清掃したんだろうなあ。

今年の夏は、普通に海水浴場として人がきてくれるといいんだけどと話されていた。

気仙沼大島ランフェスタ(2012年5月)

海岸降りたついでに、翌日走るコースの下見と、買ったばかりのランニングシューズの足慣らしを兼ねて、島南半分をぐるっと歩いてみた。

人とまったくすれ違わない、静かでのどかな島。

気仙沼大島ランフェスタ(2012年5月)

仮設住宅もあった。
15軒ほどか。

気仙沼大島ランフェスタ(2012年5月)

コースを少しはずれて、南端の龍舞崎にも足を伸ばした。
海までは切り立った絶壁の上の松林のルートを歩く。

気仙沼大島ランフェスタ(2012年5月)

この小さな灯台がある場所で行き止まり。

気仙沼大島ランフェスタ(2012年5月)

こちら側が外海だ。
気仙沼港に入ってくる漁船はみな、この島の脇を通ってゆく。

正面の岩山には、海鳥がびっしり止まっていた。

気仙沼大島ランフェスタ(2012年5月)

そしてコースの南半分くらいをぐるっと歩いて回って、再び民宿こばまへ戻ってきた。

気仙沼大島ランフェスタ(2012年5月)

お風呂も広くてきれい!
なにせ、島の民宿と言うと直近の思い出が与論島の朽ちかけたところだったので、そのギャップにいちいち感動してしまったり(もちろん与論島も忘れられないいい思い出ばかり/ただ強烈だったw)。

気仙沼大島ランフェスタ(2012年5月)

そしてお楽しみの晩御飯!!!
小さいけど毛ガニが一人一杯!

マラソン歴5年の先輩ランナー2人と、昨年冬から始めた同期の1人と同じテーブルになり、ニューヨークマラソンや京都の大会などの話をたくさん聞くことができた。

島マラソンはやっぱりいいなあ~♪
としみじみ。

気仙沼大島ランフェスタ(2012年5月)

そして翌朝、なんと海藻3種類も並ぶバナナ付きの朝食をいただいて、会場へ。

気仙沼大島ランフェスタ(2012年5月)

人生二度目のハーフです。
どきどき。

> 続く